そうめんと冷麦は両方とも夏によく食べられる定番食材ですが、この2つに違いは麺の太さと言うのがすごく有名です。
でもね、そうめんとひやむぎの違い、それだけじゃないんですよ?
え?茹で時間の違いなんだろう?
確かにそうですね、確かにそうなんですが、今回はもっと真面目に、冷麦とそうめんの違いについてトレベアを知りたいあなたのために色々紹介します。
この記事の目次
冷麦とそうめんは太さの違いで区別する
おさらいになりますが、日本には小麦粉から製造される麺は「そうめん」「冷麦」「うどん」の3種類有りますが、この違いはJAS規定の「乾めん類品質表示基準」に基づいて、製麺機を使用しているか手延べかでこのように規定されています。
製麺機を使用して製造した場合
- そうめん→麺の太さの最大直径が1.3mm未満
- 冷麦→ 麺の太さの最大直径が1.3mm以上、1.7mm未満
- うどん→ 麺の太さの最大直径が1.7mm以上
手延べで製造した場合
- そうめん→ 麺の太さの最大直径が1.7mm前後
- 冷麦とうどん→手延べ製法が無いため該当なし
どうしてこんな分類になったのか?
上の表を見て、「なんで製麺機と手延べで異なるの?」と言う疑問が湧いてきますので、それにお答えします。
そうめん、冷麦、うどんはもともと同じ材料を使用して作られるのですが、昔は製法の違いで分流をしていました。
下の画像のように麺にする工程で手延べにしたのが「そうめん」になります。
冷麦とうどんは下の画像のように板状にして切って麺を作るのですが、細く切ると「冷麦」太く切ると「うどん」になります。
でも、時代ととも製麺機を導入して麺を作る製麺所が増え、大量生産時代に突入すると手間暇のかかる手延べは大量生産には向かないので、細く細く切っただけなのにそうめんとして販売する製麺所が出てくるようになりました。
その結果、冷麦とそうめんの違いが全然分からない状態になってしまったため、JAS規定で太さによって分類すると言う基準が生まれたのです。
しかし、昔ながらの手延べを続ける製麺所がこれに反発し、手延べ製法を守っている限り多少太くても「そうめん」と名乗ることが出来るよう、2004年にJAS規定が改正され、手延べの場合、麺の太さの最大直径が1.7mm前後である限り「そうめん」と名乗れるようにしたのです。
作り時期によっても違う、そうめんと冷麦
冷麦とそうめんの違いはもう1つ有り、それは製造する時期の違いになります。
特に手延べそうめんでこの違いが明確なのですが、そうめんは手延べで補足しないとならないので、気温が低くなる10月〜4月の間しか製造する事が出来ないのです。
これは、小麦粉に含まれているグルテンが気温が高い環境ではすぐに固まってしまうことに理由が有ります。
動画でも紹介しました通り、手延べ作業と言う作業は生地をそのまま伸ばす作業を繰り返して行くのですが、グルテンが固いと伸びる前に切れてしまい、細い面に仕立てる事が出来なくなってしまうのです。
そのため、グルテンが柔らかい状態を保ちやすくなる10月〜4月の間だけそうめんを製造し、そうめんが作れない間は同じ材料で作れる冷麦を製造しているのです。
ちなみに、業界では手延べそうめんの大量生産を実現させるためにエアコンを導入して温度調整をしてみた事もあったそうですが、室内の乾燥でグルテンが固まり、手延べに出来なかったんだそうです。
だから、手延べそうめんは10月〜4月の間しか作る事が出来ないのです。
つけ汁に関する違いはあるのか?
ストレート麺汁を使用している人だと、「そうめん用」「冷麦用」となっていますが、この違いは味の濃さに有ります。
細い麺はつゆによく絡むのですが、味が濃いとしょっぱくなってしまいます。
そこで、ストレート麺つゆの場合は味の薄い「そうめん用」、味の濃い「冷麦用」と分けて販売しているのです。
もちろん、両方とも中身は同じなので、家庭で作る時はだし汁にお好みの濃さにしょう油を入れるだけですよ。
まとめ
冷麦とそうめんの違いをまとめるとこのようになります。
- 冷麦とそうめんは麺の太さと製造方法で違う。
- 冷麦とそうめんは作られる時期でも違う。
- ストレート麺つゆでも冷麦とそうめんは違う。
冷麦とそうめんの違いについて紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
今年もそうめんとひやむぎの美味しい時期になりましたが、そうめんと冷麦の違いを実感しながら美味しく食べましょう。