今は核家族が大半となっていますが、今でも2世帯3世帯で暮らしている家庭というのは有る訳で、そう言う家庭ではひいじいちゃんひいばあちゃんのお盆と、じいちゃんの新盆が重なった。と言う事はよく有る話です。
しかし、ここでふと気がつくのは、今我が家にある盆提灯は先代の分として用意した盆提灯だ。と言う事です。
気になって調べようにも、核家族化の影響か大体は「今年初めて新盆を迎えた人」向けの情報ばかりだし、ばあちゃんに聞こうにも曖昧な返事で確証が得られない。
困ったどうしよう?
そんな時は専門家に聞くのが1番です!
今回は、2世帯3世帯向けの情報がなくて困っているあなたのため、私の友達で有る現役住職M氏より、盆提灯に関する扱い方の所見を種類別に聞いてきたので紹介します!
この記事の目次
初盆新盆で提灯の使い回しはいいの?~絵柄入り盆提灯編
盆提灯はいくつかの種類が有りますが、通年使用する絵柄の入った盆提灯は「使い回す」と発想するのではなく、一族皆で共有すると考えるので、今有る物がまだ使えるのならそれを使用しても構いません。
ただ、この皆で共有する絵柄の盆提灯には扱い方にポイントが有り、きちんと手入れし、常にいつでも使える状態にするとご供養の気持ちを表す事になるそうです。
もちろん、壊れたり古くなったりしたら翌年の迎え盆までには新調をし、常にいつでも使える状態を保ち続けていましょう。
初盆新盆で提灯の使い回しはいいの?~家紋入り盆提灯編
2世帯3世帯住宅で特に重要なのは、迎え盆の時に使用する家紋入りの盆提灯になります。
この家紋の入った盆提灯はその家の目印と言うか、M氏いわく「パックツアーの添乗員がお客が迷子にならないように持っている旗」に相当するので、これを無くしてしまうと祖先霊達が目印をなくし迷子になってしまいます。
扱い方は絵柄峰提灯で紹介した通りですが、この家紋入りの盆提灯だけは新調をする時も同じ見た目になるようにし、もし珍しい家紋の場合は以前使用していた家紋入り盆提灯を仏具店に持ち込んで相談をしてみましょう。
「家紋書きます」とPRしている仏具店なら大体受け付けてくれるそうです。
初盆新盆で提灯の使い回しはいいの?~白提灯編
新盆限定で使用する白提灯ですが、これに限っては新盆限定使用と決まっているので使い回しは禁止になり、送り盆の時に焚く送り火に入れて燃やして処分をします。
あえて使い捨てにする最たる理由は、「今持っているものを保管していても、10年以上後だと絶対新調するから」と言う事だそうですが、新盆用の提灯=死者が出た証拠なので、白提灯を使い捨てにするのは短期間で立て続けに死者が出て、家系が途絶える事がないようにするおまじないだった可能性もある。と言う事です。
もちろん、これはあくまで医療が進んでいなかった昔の習慣がそのまま残っているだけですが、念には念を入れて白提灯は送り盆の時に燃やしてしまいましょう。
どうしても盆提灯を故人に用意したい時はどうしたらいいのか?
しかし、新盆で盆提灯を贈るのは最高の贈り物とされていますので、中にはどうしても新盆を迎えた家族に盆提灯を新調したい。と言う人もいるでしょう。
そんな時は、部屋のスペースを考えた上で、盆提灯を新しく加えれば良いそうです。
基本、ご供養と言うのは気持ちの問題何で、ご供養の気持ちさえちゃんとこもって入れば盆提灯はいくつ有っても問題は有りませんし、天井から吊るして使用する盆提灯も有るので、床にスペースがない時はそれを購入すると良いです。
まとめ
現役住職M氏による盆提灯の扱い方についてまとめると、このようになります。
- 絵柄入り盆提灯と家紋入り盆提灯は共有して良い、新盆用白提灯だけ使い捨て。
- 盆提灯を長く使う時は手入れが重要、いつもで使えるようにベストコンでションを保つ。
- どうしても新しく盆提灯を加えたい時は、新しいものを加えても良い。
現役住職で有るM氏の所見を元に、盆提灯の扱い方について紹介しましたがいかがだったでしょうか?
ちなみにM氏いわくお仏壇を引っ越す場合は儀式が必要になるので、必ずお寺に相談をして欲しいとの事です。