日本を代表する神様「天照大神」がいる神社として長年信仰を集めている伊勢神宮ですが、参拝者としてはとても困ることがあります。
「外宮からお参りしろって言われたけど…外宮ってどっちなのさ!?」
確かによく見れば、外観からわかることはわかりますが、あまりにも専門的過ぎて初めて行く方にはとても分かりにくいです。
そこで今回は神職経験者の私が、伊勢神宮の内宮と外宮の違いを確実に誰でも分かるように、解説させていただきます。
この記事の目次
伊勢神宮の内宮と外宮どっち?1番分かりやすい違い
まず下の画像をご覧ください。
こちらの画像は、伊勢神宮のホームページから引用させて頂いている内宮の画像です。
内宮と外宮の最大の違いは、少々乱暴な言い方をすると「屋根の丸太の本数」になります。
この「屋根の丸太」は「鰹木(かつおぎ)」と言って、屋根の補強兼装飾品としての役割を持っています。
神社はもちろん、ちょっと豪華な神棚に至るまで、日本の神様のお住まいにはなくてはならない存在です。
この鰹木は大体どこの神社にあるのですが、伊勢神宮は日本の太陽神である天照大神様のお住まいです。
ですから下の画像のように、他の神社との違いを明確にするために10本備えられております。
外宮は?
一方、外宮の鰹木は9本になります。
なぜ鰹木の本数を変えたのかというと、伊勢神宮では「外宮は内宮より後に建てた物なので天照大神様に遠慮して少なくした」と言う説明がなされています。
私の経験を加味してもこれは間違ってはおりません。
このように鰹木の本数で見分けが付きますので、伊勢神宮の内宮と外宮が分からなくなって来たら、遠くから鰹木の数を数えると良いです。
鰹木以外にも分かる内宮と外宮の違い
上で述べたとおり内宮と外宮の最も分かりやすい違いは「鰹木の数」です。
でもこちらは遠目から見ないと分かりませんよね。
そこで鰹木以外の特徴として、近くで見た時に違いが区別できるところがありますので紹介します。
それは「壁の板の数」になります。
下の画像は伊勢神宮から引用させてもらった画像です。
細かい部分ですが、こちらの壁板の枚数を数えてみてください。
左側内宮の壁板が9枚なのに対して、右側外宮は壁板が8枚になります。
近くまで来て内宮か外宮か分からなくなってしまった場合、この壁板の数を数えると区別する事ができます。
伊勢神宮にお参りに行く際には、こちらもちょっと覚えておくとスマートに参拝できます。
なぜ先に外宮からお参りをするのか?
ところで、伊勢神宮ならではのお参り方法と言うと「外宮から先にお参りをする」ということですね。
これは伊勢神宮では「まず神様への食事を外宮へお備えすること」に由来しています。
「まず外宮の神様にご挨拶をしてから、内宮の神様のご挨拶をする」と言う参拝方式なのだと考えると分かりやすいでしょう。
ところで、この伊勢神宮の参拝方法は「絶対に変えてはいけない参拝方法」って知っていました?
これぞまさしく元神職だった私だから言えることなのですが、この件に関してすごく重要なので下の項目で解説をします。
伊勢神宮の参拝の順番を変えてはいけない理由とは?
伊勢神宮の参拝の順序は「外宮から内宮」になります。
この順序は「神様が機嫌を損ねる」という理由から、変えてはならない参拝順序になります。
理由は、伊勢神宮のように「位」が上の神様と下の神様がはっきりとしている場合、参拝者は必ず下の神様にご挨拶をしてから上の神様にご挨拶をするのが正しい参拝方法になるからです。
これを守らないとバチが当たるかどうかは何ともいえませんが、神様からは↓のように思われます。
- 外宮に行かず、内宮に直接行く → 天照大神様からイラッとされる。
- 外宮のみに行き、内宮行かない → 豊受大御神様から「なんで内宮行かないの?!」と驚かれ、場合によってはイラっとされる。
神職だと神様のご機嫌を損ねるのは死活問題なので、伊勢神宮に限らずにこのような順序は必ず守ります。
一般の参拝者の方でも、神様に対する礼儀としてしっかり守っておきましょう。
まとめ
伊勢神宮の内宮と外宮の違いについてまとめるとこのようになります。
- 伊勢神宮の内宮と外宮を区別する方法は「遠目で屋根の上の丸太の本数を見る」
- 近くにいる時は「壁板の数」を数える。9枚が内宮で8枚が外宮。
- 必ず外宮から内宮に参拝をする。
伊勢神宮の内宮と外宮の違いについて、現代風に紹介をさせて頂きましたが、いかがだったでしょうか?
可能な限り現代風に説明をしましたので、伊勢神宮の説明記事と比較すると雑ですが、あなたの疑問が解決出来れば幸いです。