インフルエンザの予防接種を受けて腫れてしまうといった症状は副作用の一種です。
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。それには、2つの原因があります。
インフルエンザの予防接種で腫れる人腫れない人がいるのはなぜか、その原因
1つ目は、新たに注射されたワクチンが体内に抗体としてあるか、ないかの違いです。
新たなインフルエンザウィルスの場合、抗体を作るために腫れるといったことが起こります。
過去に同様のウィルスのインフルエンザにかかったことがある場合には、既に体内には抗体が作られているので、予防接種によって腫れるといったことはありません。
予防接種をすることによって腫れるといったことは、新たな抗体を体内に作る上で正常な反応といったことがいえます。
原因の2つ目は、注射針の刺激によっても腫れることがあります。
ワクチンを皮下組織に注入する皮下注射と筋肉組織に注入する筋肉注射がありますが、腫れやすい注射方法は皮下注射です。
そして、インフルエンザの予防接種に使われる不活化ワクチンは、現在、日本では皮下注射によって注射する病院が多いです。
ということは、そもそもインフルエンザの予防接種は腫れやすいといえるのです。
1970年頃までは筋肉注射による接種が多かったようですが、この頃に筋短縮症といった膝が伸ばせず、歩けなくなるといった症状が流行り皮下注射へ変わっていきました。
しかし、近年になって、副作用が出にくいということで、筋肉注射が見直されてきており、筋肉注射で予防接種を行う病院も増えてきています。
皮下注射と筋肉注射、自分が打たれるのはどちらの注射なのか、判別する方法として注射角度をチェックしてみましょう。この2つの注射は打つ角度が異なります。
目安として、10~30度の角度で注射するのが皮下注射。45~90度の角度で注射するのが筋肉注射となります。
インフルエンザの予防接種でもし腫れたらどうするのが正解か?
もし、インフルエンザの予防接種で腫れてしまったらどうすればいいのでしょうか。
そのまま放っておいても3~4日ほどで、腫れや発熱は引くといわれています。
でも、そのままっていうのはつらいですよね。
濡れたタオルを当てたり、湿布薬を貼るといっただけでも腫れを抑えることができます。あとは、安静にしていることが大事です。
また、インフルエンザワクチンの成分の一部には鶏卵も含まれています。
アレルギー症状により、場合によっては肘まで腫れてしまうといったケースもあるので、玉子のアレルギーがある方はしっかりと考慮することも必要になってきます。
まとめ
インフルエンザの予防接種と言っても、体内の抗体や体質によって腫れる場合と腫れない場合があります。
新たなインフルエンザワクチンを注射する場合に腫れるといったことは、正常な反応ともいえます。
ただ、腫れた場合の対処も必要です。あわてずに冷やしたり、安静にしたりといった感じで様子を見てみることが大事です。
ほとんどの場合は特に心配は要りませんが、アレルギー反応が疑われるほど広い範囲で腫れが広がるといった場合、医師への相談も必要となってきます。冷静に状況を見極めて、適切な判断をしましょう。