子供につける名前等にも時代の流行と言うのが有るように、雛人形にも流行があり、2018年現在では木目込みの雛人形が流行中なのです。
人気の理由は諸説有りますが、とても小さくて可愛らしい人形で、パーツも少ない分価格が抑えられているのが特徴なので、可愛いから流行しているのか、値段が安いから流行しているのか、のいずれかという説が有力視されています。
いずれにせよ、現在流行中で、若いママの間で絶大な人気を誇っているのに変わりはありません。
今回は、丸くて可愛いフォルムが特徴の木目込み雛人形と、その価格相場をご紹介します。
そもそも木目込み雛人形って何?
木目込みと言うのは、桐の粉と糊を混ぜ込んで作る桐粉と呼ばれる素材で出来た塊に溝を掘り、そこに友禅等の豪華な生地を差し込んで作る人形になり、主に置き人形に使われています。
この技術を使用して作られた雛人形が木目込み雛人形となります。
独特の丸くフワッとしたフォルムが特徴で、生地を土台に差し込んで作られているので、着物崩れの心配もなく、管理も簡単なのが特徴です。
ちなみに、我々が雛人形と聞いてイメージする方は、衣裳着タイプと呼ばれる雛人形なのですが、この雛人形の目は彫り込んで作るため「入れ目」と呼ばれるのに対し、木目込み雛人形は目を描いて表現した事から「書き目」と呼ばれます。
以前はすっと横に流す表現しか有りませんでしたが、入れ目の木目込み雛人形も作れるようになり、バリエーションが増えた事でさらに人気が出ています。
木目込み雛人形にも種類がある?
衣裳作りの雛人形には、関東を中心に販売されている「関東雛」と関西を中心に販売されている「京雛」に分かれますが、木目込み雛人形にも種類が有ります。
まず、伝統工芸品として認定された雛人形で、経済産業省が規定する伝統工芸品の規定である「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」通称「伝産法」の規定を満たしている事が条件になります。
この伝産法の規定に基づいた伝統工芸品には、伝統工芸品のJASマークとも呼べる伝統工芸品の「伝」と日の丸をあしらったシールが貼られます。
伝統工芸品と認定を受けているだけに、品質の良さは保証されているのですが、価格にその事実はしっかりと反映されており、新王飾りで15万円〜20万円が相場になります。
しかし、この伝統工芸品認定の雛人形と言うのは、いかにも昭和!と言う感じのイメージで、実はあまり人気が有りません。
現在の木目込み雛人形の人気を支えているのは、実は伝統工芸品認定を受けていない木目込み雛人形なのです。
この伝統工芸品認定を受けていない木目込み雛人形は、規定に縛られていない分多種多様な表現技術が使用されており、まるで飴菓子を思わせるような可愛らしくキュートなデザインで有る事が特徴になります。
価格も、同じ新王飾りですが5万円〜8万円で、伝統工芸品認定を受けているのと比較すると破格の値段です。
木目込み雛人形の相場は?
では、具体的に飾り方別に木目込み雛人形の相場をご紹介します。
ちなみに、衣裳着タイプのは段数で価格が変動しますが、木目込み雛人形の場合は小さいので、人形の数やパーツの数で価格が変動し、段数は最大でも6段になります。
新王飾り→5万円〜20万円
お内裏様、お雛様、三人官女のセット(2段〜3段)→7万円〜15万円
お内裏様、お雛様、三人官女、五人囃子セット(3段)→16万円〜30万円
お内裏様、お雛様、三人官女、五人囃子、右大臣左大臣セット(3段〜6段)→25万円〜40万円
木目込み雛人形はどこで手に入れたら良いのか?
では、いざ木目込み雛人形!と意気込み雛人形店に行きますが、実は雛人形店では衣裳着タイプの方を中心に置かれていて、木目込み雛人形はほとんど有りません。
ネットで購入をするのが一番妥当な手段ですが、どうしても現物を見て判断したい人は、人形店が多く並ぶこれらの地域に行ってみて下さい。
- 東京→浅草橋
- 埼玉→岩槻区、鴻巣市
- 大阪→松屋町
これらの街でも、木目込み雛人形の取り扱いは少ないですが、何軒も回る事で必ず気に入った木目込み雛人形が見つかるでしょう。
まとめ
木目込み雛人形についてまとめると、このようになります。
- 木目込み雛人形は日本の伝統工芸品。小さくて丸いフォルムが特徴。
- 伝統工芸品でも有るが、今の木目込み雛人形の人気を支えているのは伝統工芸品ではない方の木目込み雛人形。
- 木目込み雛人形の価格は5万円〜40万円。雛人形店を何件も回れば必ず理想的なのが見つかる。
木目込み雛人形と、値段相場についてご紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?
最後になりますが、伝統工芸品の木目込み雛人形でも、現代的なデザインの物は有ります。
しかし、やっぱりそこは伝統工芸品認定を受けている職人が作るものですから、認定を受けていない職人が作るものとは一線を介していて、本当に品と高級感のある仕上がりになっています。
でも、やっぱり伝統工芸品、値段相応で新王飾りでも、目が飛び出るような値段だったりします。
最終的には、誰かの好みで決定されるのが雛人形なのですが、高いの買ったから良い。なんて事は有りませんので、ブランドや人気にこだわる事なく選びたいものです。