お歳暮など贈り物に欠かせない「熨斗」ですが、実は熨斗なしでも、いやむしろ熨斗紙を使わない方が良いお歳暮の贈り物があるって知ってますか?
今回は、お歳暮で熨斗なしでも大丈夫な贈り物について紹介していきますので、知らなかった人は要チェックです!
お歳暮で熨斗なしで贈るほうがよいものとその理由とは?
お歳暮での熨斗なしでいい時と言うのは、ずばり「焼き菓子を除く食料品」を贈る時になり、特に海産物を贈る時には熨斗を使用しません。
実はこれ、ちょっとややこしい話になるのですが、熨斗の由来をさかのぼると、熨斗というのは本来「熨斗アワビ」と呼ばれるアワビを引き延ばして乾燥させた乾物だったのです。
起源は定かではありませんが、この乾物の熨斗アワビは下記の理由から昔は贈り物に欠かせないものでした。
- 「伸ばして作る」のにちなみ「寿命が伸びる」「商売が伸びる」縁起物となった。
- アワビは神様に差し上げる食料品の代表なので、贈ったものが無害なものである証明のような意味。
これらの意味から贈り物に熨斗アワビを添えるのが欠かせないことになっていました。
熨斗アワビは元々海産物のアワビの加工品なので、「海産物に海産物を添えるのは変だ」といつの頃からか言われるようになり、海産物には熨斗紙を使わないようになりました。
現在では焼き菓子を除く全ての食料品には、水引のみが印刷された掛け紙を使用します。
え?「掛け紙って何?熨斗紙って言うんじゃないのか?」ですって?
そう、じつはあのお歳暮の時「お歳暮 ◯◯」って書いてある紙は、本当は「熨斗紙」と「掛け紙」に分かれるのです。
頭こんがらがって来そうですよね。
気持ち分かりますよ。私も「あの紙は熨斗紙」って言われて育ったから、うっかり「熨斗紙」って書いてしまいそうです。
でも、正しく日本語を学ぶためにちょっとお付き合い下さい。
次の項目では、「熨斗紙」と「掛け紙」の違いについて細かい所を紹介します。
「熨斗紙」と「掛け紙」の違い
熨斗紙と掛け紙の違いは、「熨斗アワビが付いているか?付いていないか?」になります。
下の図を参考にするととても分かりやすいので一度ご覧ください。
実は私達が「熨斗紙」と呼んでいるのは、「奉書紙」と呼ばれる贈り物をする時に使う紙に水引と熨斗アワビを乗せた物になり、「全のし」と言うのが正式名称です。
この「全のし」から熨斗アワビが抜けて水引のみとなると「掛け紙」と呼ばれ、お歳暮で食料品を送る時はこちらを使用します。
ただ…本当に現実的なことを言うと、この「掛け紙」と「熨斗紙」の違いは、世間一般では全く意識されていません。
喪中でない限り、「お歳暮の時は熨斗紙」と統一されてしまっており、スーパーや販売店でも意識している場所があるかどうかという状態です。
なので、もしどうしても熨斗紙か掛け紙か?ということにこだわる人にお歳暮を贈る場合は、ネットでは済ませず、自分で掛け紙を用意するようにしましょう。
もしくは、実売店でお歳暮を購入して「水引だけの熨斗ありませんか?」と言って、掛け紙の有無を聞いてから包んでもらうようにしましょう。
そう、多分今働いている現役世代は、みんなアレを「熨斗紙」と言うんだ。と思っていますから。
本物の熨斗アワビは有るの?
ところで、今となってはすっかり印刷になってしまっている熨斗アワビですが、本物の熨斗あわびってまだ実在するのでしょうか?
実は、本物の熨斗アワビは今でも生産されており、下記の「兵吉屋」というお店では本物のアワビを使用した熨斗を購入する事が出来ます。
お値段は1袋1000円からなので「本物のアワビ」ということを加味すると意外とお安いのですが、お高い商品は桐箱入りと言うVIP扱いになります。
是非一度チェックしてみてくださいね!
まとめ
お歳暮で熨斗が必要ない時についてまとめるとこのようになります。
- お歳暮で熨斗紙を使わないのは焼き菓子を除く食料品。
- 熨斗紙が使えない時は「掛け紙」と呼ばれる水引だけのを使う。
- でも、現実は熨斗紙で統一されているので、掛け紙が欲しい時は要注意。
お歳暮で熨斗紙が必要ない時について紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?
お歳暮には色々決まりが有るのでちょっと大変と思ってしまいますが、慣れるとそうでもないので今年はちょっと気をつけてみましょう。